男が西方へ旅立った事を知って一月。後を追ったクー尼こと私。
熱い日差し、埃っぽい土地に長く険しき道。
私の長い旅もまもなく終わるであろう…

『クー尼さん、旅立ってから2日ですよ。』

うるさい。人の頭に勝手に語りかけてくるな。

『だいたい、旅の準備に時間かけすぎです。
それに昨日だって、ちゃんとした宿でしっかり美味しい物食べて休んだでしょう。しかもお父上のツケで』

私はお嬢育ちなんだ。
しっかり準備を整えないと、男に会った後困るからな。

『…それでその荷物の量ですか。変な所で頭が回りますね』

やかましい。で、なんか用事でもあるのか?
出来れば少し休んで男を思いながらハアハアしたいんだ。

『…この先の村で貴女のお供が待ってます』

お供?聞いてないぞ。

『言ってませんから』

先達…お前とは一回きっちり話をつける必要があるな…

『日を改めましょうね。先も長いですし。でお供なんですが女性ですよ』

当然だ。他の男と旅する気なんてない。

『…で少し変わった子ですが、仲良くして下さいね。気は悪くないので』



小さな村だ。というより田畑と数軒の家しか見えない。
いや、巨大な岩山が…
「出せ?????!!!!」

…でかい声だ、耳に障る
どうやらあの岩山から聞こえてくるようだが?

「クー尼さんとやらー!!出してくれ???!!!!』

まさか、アレが?

『そうです』

嫌だぞ、あんなお供。

『ご心配なく。ちゃんと対策を用意しました』

私の名前を叫んで良いのは男のみ。
とりあえず行ってみるとしよう…



岩山に一人の少女が挟まっている。少女は疲れたのか顔を伏せたまま。
しかし随分とハードなエスエ…

『違います』

先達…声が冷たいぞ。

『この子は猿人族のヒートさんです。体術に優れた女の子なんですが…』

が?

『ちょっと悪さをしてしまい、長老にお仕置きされたんです』

にしてもこれは酷すぎはしないか?

『この子の住む村を訪ねた旅人に一目惚れをした挙げ句、宿屋や寺を破壊してしまったんです』

…まずいだろ、それ。

『ええ。ま、今回のクー尼さんの旅にお供することでチャラに』

ちょっと待て。それは私の旅が危険て事にならないか?

『何を今更言ってます』

…男が待ってるんだ
危険の百や千…


『そうそう。これを彼女の頭にはめて下さいね』

なんだ?このキラキラした輪っかは?

『彼女が暴走したら、
【ブラルークス】と唱えて下さい。そうすると…』

輪っかが閉まるとか?

『いえ。骨が見えるくらい電流が流れます』

本当か!?いくら何でも…

『嘘です。クー尼さんの言う通り輪っかが閉まります。…クー尼さん怒ってます?』

…ああ、少しな。



私はとりあえず輪っかを少女の頭にはめる。

「うーん…だ、誰だ!!」

私はクー尼と言う。
猿人族のヒートだな?

「その通りだ???!!」

…うるさい。でどうやって岩山から出せばいい?

「岩肌に札が貼ってる筈だ???!!剥がして貰えれば大丈夫だ??!!」

私は例の呪文を唱える。

「あだだだだ!!!な、なんなんだ!!!!あたまがあだだだだだ!!!!」

お前が悪さをしたり、大声で喚くと私が罰を与える。その罰がその頭痛だ、分かったか?

「了?解?した???!!あだだだだだ!!!!」

ちっとも分かってないではないか。ま、札を外すか…どれ。お、これか。

札を外すと巨大な岩山が真二つに別れる。
昔、男と見た演劇………

「ありがとう???!!!!助かった??!!っあだだだだだだだ!!!!」
せっかく男との思い出に浸っていたのに…
ムードのない女だ。



こうして私は猿人族
(見た目は変わらないが猿の尻尾があった) のヒートを供に加え、再び西へ向かう。
待っていろ、男。すぐに追い付くぞ!!

「クー尼様!!今日はもう夕方だから、この辺で宿を取りましょう???!!
名物は鴨肉の…ぎゃ!!!」



黙れ。浸るのを邪魔するんじゃない。



つづく?

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