「ただいま?」
いつもの如く、いつもの様に帰宅の挨拶。
返事はないが鼻腔を擽るこの匂いはカレーだな。
うちの奥さんのクーはわざわざ各種調味料から作る本格派だ。
一度ルーを使ってみたらと言ったら
時間短縮には良いのだろうが納得できるルーがない。と返された。
多分、調味料をいじるのが好きなんだろう。
調味料だけの棚があるし。なぜか鍵付きだけど。
廊下から返事が出来ないぐらい集中しているクーのいるキッチンの方へ。
「ただいま」
「おかえり。今日の出来はなかなかの物だぞ」
「?」
「どうした?」
思わず開けた扉を閉めた。
額に手を当て目を瞑る。
なんだ今のは?なにかおかしくはないか?錯覚?そうだ錯覚だ!
再び扉を開ける。
「?なにかあったのか?」
「…」
先程の光景と変わらない。
キッチンのコンロの鍋をおたまでゆっくりかき混ぜたりしている。
不思議そうな顔でこっちを見ている。
いや、その顔はこっちがすべきもので…
立ちすくんでいると火を止めステップを降りこっちに寄ってくる。
「体調が優れないのか?」
不安そうな顔で見上げてくる。
その顔はなんとなく見覚えのあるような…しかし、それはありえない。
「き、君だれ?」
「妻の顔を忘れたのかね?」
「!! や、やっぱりクー?!」
「当然だ」
平然と答えるクー。
ああ、確かにクーだ。
何故か小学生ぐらいに小さくなってるけどこれはクーだ。

食事を済まし後は就寝というだけなので寝室にいる。
ベッドの上で胡座をかいて座る。
クーも脚を崩して座っている。
「朝は普通だったよね?いつからそうなったの?」
「朝、君を見送ってから洗濯、掃除を始めて布団を干し、
 買出しをしたりしてから昼食をとり、
 カレーの準備をしてから布団をとりこんでふかふかになった布団の温かさと
 近頃の御無沙汰に思わず自分で慰めようとなるのを必死の思いで抑制し
 カレーの準備に戻って、そしてこうなった」
なにか引っかかるがつっこまないでおこう。
「いきなり小さくはならないでしょ」
「確かに。徐々に小さくなった気がするな。
 そうそう君のモノが私の奥で放出してから徐々に小さくなるみたいだったな」
小さくなってもクーはクーだった。
「その割には落ち着いてるね、さすがにクーだ」
「いやいや。私も体の異変に気付いた時は驚いた。
 しかし戻る術も止める術ない状況では順応しか出来なかった。
 まぁ幼な妻というのもこれはこれで悪くはないとも…」
それが凄いんだって…
調理中の服や今着ているこのパジャマも即席で作ったのだろう。
こうやって対面にいると小学校の低学年ぐらいに見える。
長かった髪はそのままだが
綺麗というべき容姿だった顔は幼さがあるが利発そうな顔に。
長く綺麗な指は短くぽってり。
長い脚も柔らかそうな足に。
体も成人女性の理想系のようなものから純然たる小学生に。
クー曰く小学生の時の自分に戻ったようだ。
でも中身は全く変わってない。
体は子供、心は大人。どこぞの生意気な探偵じゃあるまいし。
「せめて原因が解ればねぇ…ってクーさん?」
「ん?」
パジャマの上半身のボタンを外していたクーの小さな肩に手を置き
「当然だけど、しないよ」
「何故だ?!」
「無理だって」
というか、さもやるのが当たり前のような返しが怖い。
「やってみなければわからないではないか」
「クー、さっきも棚に手が届かないぐらい君は小さくなってるんだよ?」
「うぅむ」
さすがのクーも後片付けの時にあった事は堪えたと見える。
「今日はもう寝よう」
「…わかった。せめて…」
クーは胸に飛びこんできた。
「ぎゅっとしてくれ」
「あぁ、いいよ」
小さなクーを腕で壊れないように優しく包みこんだ。

寝つけなかった。
豆球の薄明かりだけを見るともなしに見ている。
腕枕にちょこんと頭をのせているクーもまだ寝てない。
「眠れないのか?」
「あぁ、なんかね。眠気以外の物があるのかな」
それは今後の不安かもしれない。
それをクーに気付かれるわけにはいかない。
一番不安なのはクー自身のはずなのだから。
「掃除も洗濯も料理もこれではいつまでできるか…
 それにこんな姿では君に愛してもらうことすらできない」
「大丈夫、どう変わっても君は君だから」
「男!」
布団の中でより一層互いを抱きしめた。
せめてクーの不安が少しでも和らげるように、
この温もりのクーを守っていく、そう心に誓った。
「思ったより反応が遅かったな…」
「え?」
股間になにやら感触が。クーの手の感触と気付く時にはそれは怒張していた。
「な、なんでだ?」
その気でもないのに刺激を受けていたわけでもないのに何故に元気なんだお前は?
心拍数もなんかどんどん上がっているような
「ま、まさかカレーに…うわっ」
仰向けに、腹部には何故か上半身どころか下半身まで裸のクーが
陰になっているが妖しく笑っている…
「疲労気味の君の状態を改善し上昇させて、
 ついでに私も味わってもらおうと思ってだな」
「一服盛ったなぁ…」
跳ね除けることも出来ないわけじゃない、ましてや今のクーは小さい。
しかし柔らかいクーの尻の感触をどかす事が出来ない。
「一服盛ったのではない、愛情の一サジだ」
多分それは耳掻き一杯とかいうやつなんだろうなぁ
「さぁ男、2度目の初物だぞ」
無理!無理!
「そう心配しなくても良い。男にも効果があるように、私にも効果はある。
 まさかここまで若返るのは計算外だったがな」
ちょい待てコラ。

寝つけなかった。
豆球の薄明かりだけを見るともなしに見ている。
横ではクーが満足げな顔で規則的な寝息をたてている。
とりあえず調味棚の中身は全て処分しよう。

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