とある晴れた日、とある街角で、その少年は待ち惚けを食らわされていた。 手持ち無沙汰に腕時計を眺めてみるが、秒針の速度に変化はない。少々レトロなデザインの、このアナログ時計はお気に入りなのだが、こういう時は恨めしく思ったりもする。 暇潰しも早々に諦め、空を眺める。 青い空に燦然と輝く太陽が、何とも眩しい。彼は目を細め、片手で陽光を遮る。流れ行く雲の気楽さを、ある種の羨望を込めて観察する。 「……フゥ」 小さく溜め息を吐く。 現在の時刻は、午前十時五分。待ち合わせの約束が十時丁度だから、五分オーバーしている。 待機時間は、かれこれ三十五分に達する。何故、わざわざこんなに長いこと待たなければならないのかとも思うが、それは男の嗜み……らしい。 そういう慣習だというならば、我慢しよう。待つこと自体は構わない。とはいえ……、 「やあ彼女、浮かない顔してどうしたの?」 とはいえ、コレだ。 「ははァん。さては彼氏に待ち惚け食わされてるね? そんな冷たいヤツ放っておいてさ、おれと遊ばない?」 「悪いけど間に合ってる」 「つれないなあ。けど、ハスキーボイスがちょっとセクシーだね」 五分十分置きにこんな輩に声を掛けられれば、うんざりして当然だろう。 このアストという名の少年は、つくづく思う。自分はそんなに女っぽいのかと。 顔は……仕方ない。毎朝再認識するのが日常だ。いい加減嬉しさなど微塵も込み上げてこないが、可愛いというより綺麗と評されることもしばしば。 小柄、有り体に言えばチビなのも仕方ない。諦めよう。今後に期待する。 しかし、声はやや高めで中性的と言えなくもないが、明らかに男のものだ。フィルターが掛かっているなら、その限りではないらしいのが難点だが。 骨格も間違いなく男のもの。贅肉は少なく、引き締まった体格。手もやや筋張っている。細身で一見華奢なので、これもフィルター越しでは通用しないようだが。 服装で差別化を図る手はあるが、ファッションの多様化から、今や誰の目にも明らかな男物というのも少ない。というか、女は男物を着てても違和感は無い。 柔らかい笑顔など作ったことはない。口元を引き締め、鋭い眼光を射抜くように発しているが、何故か凛々しい表情だと受け取られてしまう。 要するに、ちょっと弄れば何処に出しても恥ずかしくない美人として仕上がるのだ。 「……ハァ」 再び溜め息。 悲しい話だが、様々な条件が運命を受け入れるべきと伝えているようだ。 溜め息を吐くたびに幸せは逃げるというが、この扱いに慣れるよりはマシだ。 「ねえねえ。いいだろ? 付き合ってよ」 「ダメージが大きくないうちに忠告しとくけど、僕、男だぞ」 「ははは、人が悪いな。キミみたいに綺麗なコが男の子のはず……」 「…………」 「マジで?」 「マジだよ」 「し、失礼しましたー!」 そそくさと去ってゆく男を、軽く手を振って見送る。 本日の撃墜数、通算六人。もしこのまま待たされ続け、さらに勝ち星を挙げることになるのかと思うと、正直憂鬱になる。 さて、そろそろ同じ数字が二つ並ぶ一分を迎えそうだが。 「――って、デジタルでもないってのに」 何をやっているのやら。 流され――もとい脅された挙句こんなことになっているが、わざわざ延々と悪ふざけに付き合う必要は無いのだ。 「よし、決めた」 もう五分したら帰ろう。……後が怖いので、ちゃんと断わり入れて。 そして話が進むのは、何時もそんな時だ。此方の都合なんて、これっぽっちも考えちゃくれない。 何時も勇気を持って心を決めた途端のこと。 「遅れてゴメン」 同じ数字が丁度三つ並んだ頃、待ち人が現れた。 「アストくん、待った?」 大人しそうな少女は、そう言って僅かに首を傾げる。 線の細い、薄幸のという形容詞が付きそうな美少女だ。華奢というよりは病弱、お姫様というよりは深窓の令嬢。 実際はしっかりしたものなのだが、見ているだけで危なっかしく感じ、不安が拭えることはない。 右目の眼帯が、その印象に拍車をかけている。普段の医療用でないだけ、まだマシかもしれない。 知り合いであれば、今日の服の下を嫌でも意識するだろう。 普段のラフな格好では、袖口や何かから、包帯を覗かせているのが常だ。心配しないはずがない。 (そうなんだけど……) 一応、お洒落という名目なのだろう。やや装飾過剰な服は、いかにも服に着られていると様相を呈している。 というより、“着せられている”が正しいのだろうが。 馬子にも衣装。失礼ながら、この見事な不協和音は、褒められない例えが相応しい。 セミロングの髪をかき上げる彼女の問いに対し、アストは、 「ああ、イフか。そうだね。大体、十分くら――」 「アッくんの馬鹿ー!」 「あじゃぱァー!?」 物陰より感じていた視線の主に、突如殴られ宙を舞った。 拳をピンと伸ばし、円と直線で力を伝えきった姿は、彫刻のように決まっている。動きやすいカジュアルな服装を最大限に生かし、思わず溜め息が出るほど芸術的な動きを披露してくれた。 右目を隠す長い髪が、ふわりと浮き、まるでスローモーションのように見せた。 「何てデリカシーのないコト言うかなァ、この朴念仁は!」 現れた人物は、泡を吹き大地とオトモダチになった少年を何度も指差す。 「い、イキナリ何するんだよ、リーア!」 「ちょっとお姉ちゃん、いくら何でもやりすぎ」 ふんっ、と暴君は鼻を鳴らす。 アストが息を吹き返し抗議するも、ちっとも悪びれていない。 「いいのよ。このくらいのことして解らせないと、何時まで経っても成長しないんだから」 腕を組んで偉そうに踏ん反り返ると、その見事なボディラインが大きく揺れた。 イフの姉、リーア。色々と心配で、跡をつけてきたらしい。 変装のつもりなのだろう。長い髪をアップにして目深に被ったキャップと怪しげなサングラスが、定番すぎてちっとも用を成していない。それどころかサングラスに至っては、そもそも半分隠れている。 加えて、イフに負けず劣らずの美少女だ。この怪しさ全開のオプションが、図らずもファッションとして成立しているのだから恐れ入る。 ギャラリーがざわざわ騒ぎ出した。 それも当然だろう。 何処か果敢無げなイフ、活発でスタイル抜群のリーア、遠目には貧乳美人のアスト。この三人が、何か良く解らない理由でもめている。 加えて一人は、空にアーチを描いた。これで目立たないはずが無い。 「さ、やりなおし。模範解答を示しなさい」 「くそ。この乱暴も――」 「あァ!?」 「わ、わかったよ……」 アストを目で黙らせると、イフも促し、位置についてテイク2スタート。 少年は唾を飲み下し、お気に召す答えを探る。 そして、 「遅れてゴメン。待った?」 「いや。今来たところだよ」 「これは我が妹の清らかな魂を傷つけた分だァー!」 「ぎゃびりーん!」 先程にも増して強烈な一撃が見舞われた。 グシャァッ、と嫌な音をさせて顔から落ちたが、このノリならば大事には至るまい。ちょっと腫れるだけだろう。 「……ぎ、銀河が……何かの動物も見えた……」 「アンタも遅刻したっていうの? もっと気を利かせなさい!」 「だからお姉ちゃんやりすぎ。悪いのはこっちなんだから」 悶えるアストを尻目に、冷静に判断する妹さん。それよりもう少し心配して欲しい。 リーアはイフの言を手で制すると、何事も無かったかのように続ける。 「そこは包容力を以って受け入れるべきところでしょう?」 「以後気をつけます……」 流石にそろそろ身の危険を感じ、黙って有り難い心得を受け入れることにする。 それにしても、とアストは頬をさする。 「何でイフのことになると、こう暴力的になるかな……」 「大事な大事な妹だもの」 「仮にも恋人の僕は大事じゃないのか」 「まさか。大事よぉ、唯一無二」 リーアはニンマリと笑いながら、サングラスを仕舞い込む。 「ま、いいケドね」 基準が違うのだから、比べようはずもない。 それは解っているのだが、やはり痛い目は出来るだけ避けたいところだ。 「フフ。安心なさい。傷物になったら、ちゃんと責任持って、お嫁に貰ってあげるから」 「僕は男だっての」 「はいはい。もうちょっと逞しくなってから言ってね」 「ちぇっ」 「でも――」 ずいっとアストに顔を寄せる。 「勘違いしないでよ。ゴツくなって欲しいってワケじゃないからね」 「勿論、心得ておりますとも」 屈託の無い笑顔のリーアに、アストは肩をすくめる。 と、 「二人の世界を作るのはいいけど、今日の主役は?」 冷静に、取り残されてた一名からのツッコミが入った。 リーアとイフの姉妹には、そう多くの記憶が無い。 数年前の事故で重傷を負い、同時に大部分の記憶が欠落した。 検査によって血縁こそ確認されたが、データの登録は無かったために身元は不明。名前も暫定的に与えられたものだ。 過去は不明。嘗ての“自分”が今の“自分”であったのかも不明。 そんな状態だ。お互いがお互いの心の支えとなっていたであろうことは、想像に難くない。 さらに姉のリーアこそ復調したものの、イフの傷が癒え切りはしなかった。致命的な機能障害があるわけではないが、極端な無理は利かず、不安定さも抱えている。 一時間の運動を問題なくこなすこともあれば、五分で限界を迎えることもある。 だからこそ、リーアも少々過保護気味になるのだろう。 が、今はそんな境遇も関係無く。 「アストくんとデートしたいかも」 テレビを見てての思い付きが姉の耳に入り、その瞬間にレンタルが決定された。 単なるデートという行為への憧れ、ないしは好奇心からの発言だろうが、貸し出すほうも貸し出すほうである。 「――で、映画?」 「うん。最初は定番コースからね」 イフは、評判のいいものを選んだと答える。 「しかし、ラブストーリーかぁ……」 「定番定番」 気乗りしないアストも、主役を立てるためには、そう強く異議を唱えることは出来なかった。 列も捌け、チケット売り場に近づいた頃、後ろから肩をポンと叩かれる。 「ま、諦めなさいって」 「今日は、リーアの分は払わないよ」 「いいよー」 うやむやの内に本日の行動を共にする運びとなったが、リーアも同じウェイトで扱えば、今日本来の意義が薄れる。 また仮にそうするつもりを見せていたら、おそらくもう一度星になっていた。二度あることは三度ある、というのは避けておきたい。何せ今までが実は仏だった可能性もある。 そして丁度、三人の番になった。 「お姉さん、大人三人ね」 「はい。本日レディース割引がありますので――」 「三名割引」 すかさずイフ。頷くリーア。 「ちょっと待った!」 流石にこれには、異議を申し立てた。 ……………… ………… …… 約二時間後。映画館を後にする一行の姿があった。 いくらか正午を廻り、ポカポカと暖かい陽気は気分をほぐしてくれる。 リーアは太陽へ向かって、気持ち良さそうに大きな伸びをした。 「んー、なかなかだったかな。評判倒れってワケじゃなくて良かったね、イフちゃん。感想はどう?」 上映中はハンカチを濡らしたリーアも、終わればサッパリしたものだ。 微動だにせず、ジッと銀幕を眺めていた妹へ話を振る。 「実力派集めただけあって、演技には問題ないと思う。けど、ライバルが完全に当て馬だったり、安易なお涙頂戴とか、物語のための物語なのは減点対象ね」 「おお〜、さっすがイフちゃん。厳しいわ。――――で」 半眼で後ろを向けば、イフもつられてそちらに顔を向ける。 「何時まで涙ぐんでるのよ?」 「え?」 気付き、バツが悪そうにアストは涙を拭おうとする。 落涙こそしていないが、指先を目尻に持って行き、溢れ出しそうなモノを抑える姿は、 「ッ!? …………ヤバいなぁ、コレ」 「うん。これは……ちょっとね」 「いい? 覚えておいて損は無いよ、イフちゃん」 「だね」 「どうしたんだよ、二人して?」 女の武器の扱いの手本として、姉妹の目に映った。 そんな二人を、アストは不思議そうに眺めた。 食事、観光、遊戯、散歩、ショッピング。 それ以後も定番メニューを消化し、小腹が空いたあたりで日が沈んだ。 時間もいいので、あまり混まない内にやや早めの夕食と相成った。 目に付いた店の戸をくぐると、直ぐに奥の席へ通された。幾つか料理を注文し、まず飲み物が出されたところで、アストは率直な疑問をぶつけた。 「ところでさ、イフ。突然デートなんてどうしたのさ」 「気紛れ。経験したことないし、近くに手頃なのアストくんしかいないし」 「手頃だから、ねぇ」 「悪い虫は、寄せないようにしてるからね!」 偉そうに胸を張るリーア。 普通、それもどうかと咎めるべきかもしれないが、アストも知る全員共通の知人に、思いっ切り“悪い虫”に該当する人物がいる。 その辺りを考慮すれば、それも仕方ないのだろうと納得は出来る。 それよりも、端から“悪い虫”として見做されていないことに、アストは少し気が沈む。 雑談しているうちに、次々と皿が運ばれてきた。いくらか追加注文し、ついでに安物の酒まで食卓に上る。 それらを片付けながら、僅かに口の滑りが良くなったイフの答えは続けられる。 「私、基本的に感情が薄いから」 当然喜怒哀楽は持っているが、揺れ幅が小さい。元々の性分なのか、後天的なものなのかは知らないが、とにかく今の自分はそういう人物だ。 それ故、彼女にとって物語は最大級の娯楽だ。物事を客観的に、そして冷静に判断するために、かえって没入することが出来る。 またそれは、自己の内面も例外ではない。“仮面”と“本心”が両立している。自分が二人いるようなものだ。 そこから、彼女は一つの結論を導き出した。 「感情が薄い分、好きなものへの拘りは強いつもり」 「どういう意味?」 「……気付こうよ、アスト」 呆れてフォークを動かす手を止めるリーア。 まだ解っていないアストを余所に、問題発言をした人物へ軽い忠告をしておく。 妹に甘いリーアにも、譲れないものはある。 「いい? あくまで一時的なレンタルだからね?」 「じゃ、また貸してよ」 「駄ー目。そんなやたらとサービスできません」 「今度はお姉ちゃん抜きで」 「ぐむっ? あたたた……そう来たか――!」 当初の予定と違ってしまったから、その埋め合わせ。 そういう理論武装されてしまうとなると、乱入した本人としては少々分が悪い。断固としてストーキングに徹しておくべきだったか。 「何か……不穏な会話が為されてるような」 アストは微妙な疎外感を覚え、行儀悪く頬杖を付く。 今日一日を振り返ってみれば、デートとは名ばかりの、姉妹のお出かけがメインになっていた。 何処か面白くない――というわけでもないが、居心地の悪さは感じる。 蚊帳の外が気になるということは、 「理解できないから……か?」 女ってものを。 一応、今日は自分も主役であったはずだ。しかし、リーアが全て持っていった。心なしか、イフも自分相手より姉相手のほうが楽しそうにも見える。 輪から外れてちょっとばかり寂しいなどと、ガキじゃあるまいし馬鹿馬鹿しい話だ。 (錯覚だ、錯覚) そうに違いない。そう決めた。今決めた。 「なァに難しい顔してんの?」 「これは元も――」 「そういう時は、呑んで誤魔化しちゃおう!」 曰く“唯一無二の存在”の不機嫌を目敏く察して、リーアがグラスを勧めてくる。 「ね?」 笑顔に負けて、空のグラスを受け取るには受け取るが、アストは気乗りしない。 お酒は二十歳になってから、などとお堅いことを言うつもりはない。別に法には触れるわけでもない。 理由は一つ。苦手だからだ。 「……でも酒って美味しく感じないんだよね」 体質の問題か、単なる嗜好の問題か、アルコール全般が苦手だ。 それはリーアも知っているはずだが、ニヤニヤしながらこんなことを言い出した。 「とか何とか言っちゃって。前々から思ってたけど、下戸なのを隠したいだけなんじゃないの?」 「な!? ちょっと。呑む分には全然平気だよ。顔にはすぐ出るけど、それ以上は変わらないんだから」 「ふぅん?」 ニヤニヤと嫌らしい笑いは途絶えない。 意外とプライドの高いアストは、その態度にカチンと来る。 「よーし。いいか、見てろよぉ」 瓶を奪い取ってグラスに並々注ぐと、中身を一気に呷った。空になれば、すぐさま手酌で補給し、瞬く間に半分以上あった残りを全て空けた。 「あ」 「大丈夫、大丈夫。それより、いいもの見られるから」 「そうなの?」 「ん、勿論」 急性アルコール中毒を心配するイフだが、リーアは動じない。いざ呑むとなれば、この少年がかなりイケるクチだと知っている。 本人の言うように、真っ先に顔に出るタイプだが、許容量はザルと言っても差し支えない程だ。 知っていながら、リーアが何故焚きつけたかと言うと……。 「どうだ! ――っ、やっぱ苦手だ」 「うんうん。ゴメンね、疑って。無理させちゃったね」 「……お姉ちゃん……」 目の前には、頬を朱に染め、苦々しげに眉根を寄せるアスト。 苦手なものを一気に飲み干してキツかったのだろう。口元が軽く緩み、瞳を潤ませながら上目遣いで睨んでくる。 性別の垣根を越えて、その色っぽさたるや……。 「グッジョブ」 最大限の感謝を込めて。 親指を立てる妹に、同じく姉は親指で応えた。 女の武器そのニ、取得。 「あははは。ゴメンね、私のせいで予定が狂っちゃって」 夜の街を三人で帰路についていると、リーアが言った。 本来の予定では、本人の希望通りの内容で楽しませるつもりだったが、結局自分が楽しんでしまった感がある。 少しばかりは、罪の意識に囚われていないでもない。 「いや、僕は構わないけど……」 ちらりと、イフに視線を流す。 「私も。気にしないで。結果的に楽しかったし」 「そう? そう言ってもらえると、私も楽かな」 「でも――」 さっきの約束。 「次の機会には、また貸してもらうから」 「うー……仕方ないかぁ……」 困った顔で、リーアは笑う。 「でもまあ、そうだよね。年頃だもん。一番好きなコと、二人でいたいことあるよね」 「え? そんなことないよ」 何気なく口にした言葉を、イフもまた何気なくそのまま受け取った。 (やれやれ……そういうことか) ようやく、アストは納得した。 落ち着き無く居心地悪く感じたのは、恋人を取られやしないかと心配、嫉妬していたのだ。 本当に。つくづく思い知った。 ガキじゃあるまいし、情けない話だ。 「私が一番好きなのは、お姉ちゃんだもの」 |